Introduction イントロダクション
倉庫に埋もれていたフィルムは奇跡的に発見された。そこには今まで見たことのないグランプリが記録されていた。1971年、モーターレース・ファンの映画監督ロマン・ポランスキーは友人となった世界チャンピオン、ジャッキー・スチュワートとともにF1最大のビッグイベント、モナコ・グランプリの週末を共に過ごした。それはポランスキーにとって、この上なく刺激的で濃密な時間となった。

映像はモンテカルロのレースウィークを追っていく。極上ともいえる華やかさ。主役は世界一のドライバー。彼らはまさに希代のロックスターといえる存在だった。鳴り響く爆音が市街地を駆け抜ける。その姿に観衆は熱狂する。ポランスキーがその目で見て、肌で感じたものは類いまれな才能を持つレーサーの真実だった。生死を賭けて世界一の栄光を目指す。そしてその裏では最愛の人、友を失った悲しみも...それでもステアリングを握り、アクセルを開け、挑み続ける。
