Statement ステートメント

出演・プロデュース / ロマン・ポランスキー
私はレースに興味を持っており、ジャッキーは友人だった。彼は既に名声を得ているスターだった。その魅力ある偉大なチャンピオンをフィルムに収めたかった。私はドキュメンタリーを得意とはしてなかったので、当時「The Queen」という素晴らしいドキュメンタリーを作った監督、フランク・サイモンにオファーした。ジャッキーはいろいろなことを話し、自らのテクニックまでも惜しげもなく披露してくれた。そして「5年間レースをしたら生き残れる確率は3分の1しかない」と語った。モナコの王子と握手を交わした当時のレーサーたちは皆、アクシデントでなくなっているのだ。私は彼と再会する時に、レースの安全面について話そうと決めたんだ。

オリジナルの「ウィークエンド・チャンピオン〜モンテカルロ1971」は1972年にベルリン映画祭で賞を獲得したが、ドキュメンタリー作品は当時、劇場公開が難しく、一度イギリスのテレビで放映され、フランスでも放映されたかもしれないが、それで終わってしまった。そして今から4年前、ロンドンのテクニカラーから連絡をもらった。私の中でもその存在を忘れかけていた作品だった。私は映像を確認し、再び世に出すことを決めた。そしてフィルムをレストアし編集をおこない、ジャッキーとの新撮を加えることにした。オリジナルに手を加える、新たなアーカイブ素材を付け足す、サウンドをリミックスする・・・ 現在の私のスタッフはオリジナルを知らない者ばかりだった。

スタートした時はここまで大変な作業になるとは思わなかった。なぜ私がこのフィルムに再び魅せられたのか。それは感傷的なものだろう。
あの素晴らしい時代のノスタルジアが私を動かしたんだ。

エグザクティブ・プロデューサー / マーク・スチュワート
ジャッキー・スチュワートの息子。イギリスをベースとしたフィルムプロダクション、Mark Stewart Productionsの CEO。数々のドキュメンタリー映画を手がけ、カンヌなどの映画祭に出品される。さらにBBC、Discovery、National Graphic などでTV番組も手がける。特にモータースポーツについては数多くの作品をプロデュースする。

プロデューサーとして常に人生を賭けるような素晴らしい物語を探し求めている。偉大な監督であるロマン・ポランスキーと仕事をする機会、『ウィークエンド・チャンピオン〜モンテカルロ1971』はまさにそれだった。オリジナル作品は、子供の時から私の人生の1部となっていた。それは現在でも私を魅了してやまない。過ぎ去った過去の世界が蘇ってくる。まるで記憶のタイムカプセルのように。その作品を現代に蘇らせることに携わるのは信じられない幸運といえる。ロマンとジャッキーが語りあった同じホテルの部屋で40年後、二人をフィルムに収めた。彼らがF1の過去、現在、未来を語り合うのを目の当たりにした時、私は鳥肌が立つのを覚えた。彼らから見えてきたのは「物事はどんどん変わるように見えるが、本質はなかなか変わらない」ということだった。

私に取って、その一部に携われたことは何と名誉なことだろう。